「土日の介護、頼れる先がなくて限界…」と感じていませんか?
共働きや介護のワンオペ状態では、土日も休めず心身ともに疲弊してしまいます。
本記事では、土日も利用できる在宅介護サービスとその見つけ方・注意点を解説します。
読み終えるころには、自分や家族に合った介護体制が見つかり、週末にゆとりが持てる状態を目指せるようになるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
家族介護のリアル
在宅で家族の介護を担っておられる方々からよく聞こえてくるのは、「土日も介護にはお休みがない」という切実なお声です。
平日はお仕事に、週末は介護に時間を費やし、気が付けば自分の時間もこころのゆとりも、どこか遠くに置き去りにされているような…そのように感じておられる方も少なくないのではないでしょうか。
これは、今、多くのご家庭で起きている家族介護の現実です。
しかも、「土日も使える在宅介護サービス」を探そうと思っても、ネット上に十分な情報が見つからず、どう選べばよいか分からないという壁にもぶつかってしまうでしょう。
検索して出てくるのは、求人や制度の概要ばかりで余計に混乱してしまう方もおられるのではないでしょうか。
この記事では、そんな悩みを抱える方に向けて、土日も使えるサービスの実態と、家族が少しでも楽になれる工夫を、介護現場の視点からわかりやすくお伝えします。
土日も利用できる在宅介護サービスまとめ
「土日くらいは誰かに頼りたい」と思っても、どのサービスが週末も使えるのか分かりづらいのが実情です。
土日の介護について、スムーズに支援を受けるためには、早めにケアマネジャーに相談しておくことがとても大切です。
ここでは、土日でも利用できる在宅介護サービスをわかりやすくまとめました。
介護保険が使えるものから、自費で柔軟に利用できるサービスまで紹介します。
訪問介護(ヘルパー派遣)
訪問介護は、介護保険を使ってヘルパーに自宅へ来てもらい、食事や排泄、入浴などの介助を行ってもらうサービスです。
事業所によっては土日も対応していますが、平日より人員が少なく、希望時間に来てもらえないこともあります。
早めの予約とケアマネジャーとの相談がカギになります。
デイサービス
デイサービスは、日中に施設で入浴・食事・機能訓練などを受けられる通所型サービスです。
多くの施設は平日営業ですが、一部の事業所では土曜や祝日にも対応しているところがあります。
ただし、日曜営業のデイサービスはかなり少ないのが現状です。
ケアマネジャーに相談して、利用希望の曜日を事前に伝え、対応している施設を探すことが大切になるでしょう。
また、平日にデイサービスに通っている方は、環境の変化を避けるため、なるべく同じ規模のデイサービスを選択することが大切です。
ショートステイ
ショートステイは、短期間施設に宿泊して介護を受けられるサービスです。
介護者のリフレッシュ目的で使われることが多く、土日や祝日を含む連続利用も可能です。
ただし、空き状況や送迎の有無は施設によって異なるため、こちらも事前の調整が必要になります。
急に利用したくても空いていない事が多いのですが、一度1、2泊でも良いので利用しておくと、一般的には次の予約が取れやすくなります。
自分に合うかどうか、試しに利用してみるのも一つの手といえるでしょう。
介護保険外(自費)サービスに頼る
「どうしても介護保険の枠では足りない」「柔軟に時間を選びたい」という場合は、自費で利用できる介護サービスを活用するのも一つの手です。
掃除・見守り・外出付き添いなどを土日祝でも依頼できる民間サービスがあり、1時間単位で利用できるケースもあります。
ただし、介護保険外サービスは、負担金額が大きくなりやすいです。
介護保険が適応されるサービスは、サービス料金の負担が1~3割ですが、介護保険外サービスは全額負担です。
例えば、1時間1000円の介護サービスがあるとして、介護保険サービスは、1時間で100円から300円の負担で済みます。
しかし、介護保険外サービスは1時間で1000円の料金がかかってしまいます。
費用は自己負担になりますが、介護保険法による制限がないため、希望に合った時間帯や内容で利用できる自由度の高さが魅力です。
土日対応の事業所の見つけ方
土日も利用できる介護サービスを見つけるには、「どこに、誰に、どう聞けばいいか」が大切です。
情報が限られている中でも、相談できる場所や使えるツールは意外と身近にあります。
ここでは、信頼できる相談先と、効果的な探し方のコツをご紹介します。
ケアマネジャーに相談
介護サービス利用の窓口といえば、やはりケアマネジャーです。
担当のケアマネは、要介護者とそのご家族の背景、地域の事業所の空き状況や営業日、対応できるサービス内容を把握しているため、希望に合った土日対応の事業所を紹介してくれることが多いです。
また、聞き方にもコツはあり、「土日は無理ですかね」ではなく「土日に使える方法、なにかありませんか?」と柔らかく相談するだけでも選択肢は生まれます。
他にも、土日利用が難しい場合の代替手段や組み合わせ方(訪問+自費など)についても相談できるので、早めに希望を伝えておくことが大事です。
「地域包括支援センター」の活用
まだケアマネジャーがついていない方や、サービス選びの前段階で悩んでいる方は、お住いの近くにある地域包括支援センターに相談してみることをおすすめします。
これは各市区町村が設置している高齢者支援の総合相談窓口で、介護・福祉・医療の専門職が常駐しています。
「土日対応しているデイサービスはあるか?」「ショートステイの使い方が分からない」などの相談にも丁寧に対応してくれるでしょう。
お住まいの地域名と「地域包括支援センター」で検索すると、最寄りのセンターの連絡先や地図が掲載された市区町村の公式ページが見つかります。
インターネット検索(コツ)
ネット検索でも土日対応の介護サービスを探せますが、検索ワードを少し工夫することが成功のカギです。
以下のような組み合わせがおすすめです:
- 「地域名 デイサービス 土日対応」
- 「ショートステイ 土日 ○○市」
- 「訪問介護 週末 利用可能」
ただし、ネット検索では、求人情報などの必要ない情報が検索にヒットすることもあるため、事業所の対応内容が載っているサイトを活用すると、情報の精度が上がります。
▼おすすめサイト例:
【介護事業所・生活関連情報検索】
→厚生労働省による情報サイト。「詳しい条件で探す」でサービスごとに絞り込める。
【各市区町村の公式サイト】
→ 認可事業所の一覧や、地域の介護マップなどが掲載されていることもある。
また、サービス内容だけではなく、口コミが乗っているサイトを活用することも検討してみましょう。
▼おすすめサイト例:
【LIFULL介護】
→ サービス内容、営業日、口コミをチェック可能。絞り込み検索も使いやすい。
【みんなの介護】
→ 地域ごとにデイサービスなどを検索可能。利用者の声も豊富。
土日・祝日の介護サービス利用で気をつけたいこと
土日や祝日も介護サービスを使えることは、介護者にとって大きな助けになります。
しかし、平日とは異なる制限や注意点があることも理解しておく必要があります。
ここでは、週末・祝日の利用において「事前に知っておくと役立つこと」をまとめました。
希望通りの時間に対応できないことがある
土日や祝日は、ヘルパーやスタッフの数が限られているため、希望する時間帯に対応してもらえないケースがあります。
特に朝食や入浴など、時間に制約がある介助については、時間の調整が難しい場合があるため注意が必要です。
早めに希望を伝え、可能な範囲で調整することが大切です。
サービス内容が制限される場合がある
土日・祝日は、事業所によって対応できるサービスの種類が制限されることがあります。
例えば、通常は可能な買い物代行や調理の援助が休止される場合や、入浴サービスが提供できない日もあるのです。
事前に「土日・祝日はどこまで対応可能か」を確認しておくことが、トラブルを避けるポイントです。
祝日だけのスポット利用は難しいことが多い
「祝日だけ1日だけデイサービスを利用したい」といったスポット的な利用希望に対応していない施設も多くあります。
理由としては、定期的な利用者を優先して対応しているためであり、空きがあっても臨時利用を受け入れられないこともあります。
祝日に介護サービスをお願いしたいときには、あらかじめ土日利用の枠を確保しておくか、ショートステイや入居施設の短期利用など他の手段も含めて検討しましょう。
代替案を事前に考えておくと安心
万が一、土日・祝日に希望通りのサービスが利用できなかった場合に備え、代替案を用意しておくことが安心につながります。
たとえば…
- 家族で介護を分担する体制を整えておく
- 介護保険外の自費サービスを検討する
- 土日だけではなく、平日も含めたサービスにする
など、いざという時に慌てず対応できるよう、ケアマネジャーと相談しながら、「第2案・第3案」を用意しておくことが大切です。
土日の介護を乗り切る工夫
土日は介護サービスの選択肢が限られ、どうしても家族の負担が大きくなりがちです。
それでも、ちょっとした工夫や視点の転換で、心身の負担を軽減しながら介護を続けることが可能になります。
ここでは、実際に多くの介護家庭で役立っている工夫をまとめました。
家族で協力して”分担表”をつくる
「土日も対応してくれる介護サービスがなかなか見つからない」「探しているけれど空きがない」——そんなとき、家族で一時的に乗り切る工夫が必要になります。
そのひとつが、”介護の分担表”をつくることです。
これはサービスを使わずに全部を家族でまかなうという話ではありません。
あくまでも、土日対応のサービスが見つかるまでのつなぎや、近場に対応事業所がない場合のやむを得ない対応としての方法です。
たとえば、「朝の見守りは兄、昼食の準備は母、排泄介助のサポートは交代で」など、できることを無理のない範囲で可視化し、協力して分担することで、一人に負担が集中するのを防げます。
紙のカレンダーやホワイトボードに予定を書いたり、LINEグループで交代制を確認したりと、家族間の「見える化」が、精神的な安心感にもつながります。
また、お互いに労いの言葉を掛けたり、ありがとうの言葉をかけることも大切です。
そしてサービスが利用できるようになったら、すぐに切り替えられるよう準備しておくことも忘れずに。
プロに任せる領域を拡大する
介護の一部をプロに任せることは、決して悪いことではありません。
むしろ、家族が無理なく介護を続けていくために必要な判断です。
私たちは、創業以来何千件ものご家庭の在宅介護をサポートしてきましたが、「任せてよかった」「もっと早く頼ればよかった」という声を多くいただきます。
その理由はシンプルで、介護には体力・技術・時間のいずれも必要になる場面が多く、家族だけでは限界があるからです。
特に入浴や排泄介助、移動介助など、体への負担が大きいケアほどプロの技術と経験が活きる領域です。
たとえば、
- 入浴は訪問入浴サービスに週1回だけでもお願いする
- 排泄ケアの時間帯だけ訪問介護を頼む
- 週末の数時間だけ自費サービスで見守りをお願いする
など、一部だけでも任せることで、家族の負担は大きく軽減されます。
もちろん、「家族がやるのが当たり前ではないか」「申し訳ない気持ちがある」と感じる方もいるでしょう。
私たちも長年この現場にいて、そうした気持ちに何度も触れてきました。
ですが、プロが関わることによって、介護そのものがより安全で快適になり、結果として家族の関係性も良好に保たれるケースが非常に多いのです。
だからこそ、声を大にしてお伝えしたいのは、「できることを家族が、難しいことをプロが」分担することが、持続可能な介護につながるということ。
これは”手放す”のではなく、”守る”ための選択です。
自分の時間をつくる
介護の合間に「5分でもひとりになれる時間」を確保することは、気持ちのリセットにとても重要です。
好きな音楽を聴く、コーヒーを飲む、本を数ページ読む…そんな小さな”ひと呼吸”が、次の行動への力になります。
また、「日曜の午後だけは外出できるようにショートステイを利用する」「夕方だけ自費の見守りサービスを入れる」など、介護のスキマに”自分の時間”を計画的につくる工夫もおすすめです。
まとめ
土日も続く介護の中で、「休めない」「情報がない」「頼れる先がない」とそんな風に感じてしまうことは、きっと誰にでもあることです。
そして、決してあなただけではありません。
ですが、在宅介護には土日でも使えるサービスや、無理をしすぎない工夫がしっかり存在します。
大切なのは、ひとりで抱え込まず、頼れる人・サービスをうまく使いながら、自分らしい介護スタイルを築いていくことです。
この記事を通じて、「具体的にどうすればよいか」が少しでも明確になり、あなたの週末介護にゆとりや安心感が生まれれば幸いです。