2023/11/07 訪問介護

訪問介護でゴミ出しだけをすることはできる?【○○ならできます!】

訪問介護でゴミ出しだけをすることはできる?

 

「訪問介護でゴミ出しだけをすることはできる?」

 

上記のような疑問にお答えします。

 

ご利用者様にとって、重いゴミを自分で運ぶのはたいへんなこと。

 

それに、転倒や怪我のリスクもあります。

 

本記事では、訪問介護でゴミ出しをする方法や他のゴミ出しサービスを紹介します。

 

全部読むと、ご利用者様の家にゴミが溜まらないようサービスを提案できるはずです。

 

 

訪問介護でゴミ出しだけすることはできる?

訪問介護でゴミ出しだけすることはできる?

 

ゴミ出しは、訪問介護の生活援助に含まれるため対応可能です。

 

しかし、ゴミ出しだけをすることはできません。

 

理由は生活援助の算定要件にあります。

 

以下は生活援助の単位数です。

 

サービス提供時間 単位数
20分以上45分未満 183
45分以上 225

 

ご覧の通り、生活援助のサービス提供時間は最低でも20分以上必要です。

 

ご利用者様の部屋やトイレなどからゴミを集めて分別し、集積所に持って行っても20分かかるでしょうか。

 

実際ゴミ出しをするには20分もかからないため、訪問介護の生活援助でゴミ出しだけをすることは難しいのです。

 

ゴミ出しだけを依頼された場合は、他の生活援助と組み合わせて20分以上にするか、断るしかありません。

 

介護保険サービスは自立支援のためのものですので、ご利用者様自身でできることを支援することはできず、結果として本当は必要なゴミ出しもできないことになります。

 

しかし、ゴミが溜まると、健康を害するリスクやつまづいて転倒するリスクもあります。

 

そのため、ゴミ出しだけが必要な場合には後に紹介する他のゴミ出しサービスを提案しましょう。

 

 

ゴミ出しの課題

ゴミ出しの課題

 

この章では、訪問介護サービスにおけるゴミ出しの具体的な課題について解説します。

 

ご利用者様にとって負担になっていることを

 

  • 運ぶこと
  • ルールを把握すること
  • 転倒リスク

 

の3つにわけ、紹介します。

 

 

運ぶことが重労働

ゴミ出しにおいて、集積所までゴミを運ぶことは、ご利用者様にとって肉体的にも精神的にも大きな負担になります。

 

例えば、ペットボトルなどの大きなゴミや雑誌などの重いゴミをまとめて持ち運ぶことは、筋力の低下した高齢者にとっては重労働に他なりません。

 

このような作業は、筋肉痛や関節への過度な負担を引き起こし、場合によっては慢性的な痛みにつながることもあります。

 

したがって、ご利用者様が安全で快適な生活をおくるためには、ゴミ出しの支援が必要不可欠なのです。

 

 

曜日や分別ルールの把握

ゴミの収集日や分別ルールは、自治体ごとに設定されており、特に認知症のご利用者様にとってはルールを把握することが難しいです。

 

時間や曜日を間違えると、ゴミが回収されずに残ってしまうこともあります。

 

加えて、分別ルールは複雑で、細かい注意が必要です。

 

例えば、プラスチック製品は「燃えるゴミ」として処理される場合と、「リサイクル可能なプラスチック」として分別される場合があります。

 

これを間違えると、ゴミが回収されず再度正しい分別を行う手間が発生します。

 

ゴミ回収の曜日や分別ルールを正確に把握することは、ご利用者様が自宅での生活を続けるために欠かせないことなのです。

 

 

転倒

ゴミ出し時の転倒は、ご利用者様にとって非常にリスクが高いです。

 

なぜなら、転倒が原因で長期のリハビリテーションが必要になったり、介護が必要になったりするケースも少なくないからです。

 

しかし、ゴミ袋を持って外に出る際には、さまざまな転倒リスクがあります。

 

例えば、玄関の段差や滑りやすい庭の石畳、冬場であれば道が凍結して滑りやすかったり、暗がりでは見えにくい障害物につまずくことも考えられます。

 

これだけの転倒リスクがあっても、自宅にゴミを溜めたままにはできないため、ゴミ出しをする必要があるのです。

 

 

生活援助でできることできないこと

生活援助でできることできないこと

 

この章では、訪問介護における生活援助の範囲について、具体的に

 

  • ゴミ出し
  • 掃除
  • 買い物
  • 洗濯
  • 料理

 

の5つを紹介します。

 

訪問介護としてできることとできないことをもっと詳しく知りたい方は下記のリンクをご覧ください。

 

訪問介護でできる事とできない事はこちら>>

 

 

ゴミ出し

ゴミ出しは訪問介護の生活援助に含まれます。

 

自室やトイレなどのゴミをまとめ、分別し、指定の集積所などへゴミ出しをすることが可能です。

 

しかし、ゴミ出しだけでは生活援助の算定要件である、20分以上45分未満を満たすことができないため、他の生活援助と組み合わせてもらう必要があります。

 

また、粗大ごみを出すことも生活援助では対応できないことがあります。

 

粗大ごみは一般的な家庭ごみとは違い、料金がかかったり、大きさによっては訪問介護員一人では運び出せないことも。

 

もし、ご利用者様から粗大ごみを出してほしいと頼まれたら、ケアマネージャーに相談するか、地域の自治体が行っているサービスを提案すると良いでしょう。

 

ゴミ出しは生活援助に含まれますが、内容や時間を考慮し、適切なサービスを提供することが大切です。

 

 

掃除

ご利用者様の部屋やトイレ、玄関などの掃除は訪問介護の生活援助に含まれます。

 

掃除をしないと、健康を害するリスクや、置いてある物で転倒するリスクもあります。

 

しかし、家具を移動して行うような大掃除や庭の草むしりなどは日常的な掃除とは言えないため、行うことができません。

 

頼まれた際には、地域のボランティア団体や専門の清掃業者にお願いしてもらうよう提案しましょう。

 

掃除は生活援助に含まれますが、範囲が限定されているため、ご利用者様は必要に応じて適切なサービスを利用する必要があります。

 

 

買い物

ご利用者様が日常生活で必要なものを確保するため、生活援助では買い物をすることができます。

 

しかし、生活援助では購入できないものもあります。

 

例えば、日常生活に必要と言えないお酒やたばこなどの嗜好品、ご利用者様のものではない来客用のお茶菓子などを購入することはできません。
また、日常生活の範囲内ですので、安いからと遠方のスーパーに行くこともできません。

 

生活援助の買い物は、ご利用者様から購入するものを伺い、代金を預かって、近くのスーパーなどで購入することです。

 

ご利用者様が必要なものを必要なだけ手に入れられるように、しっかりコミュニケーションを取り、買い物する必要があります。

 

 

洗濯

訪問介護の生活援助では、洗濯をすることもできます。

 

ご利用者様のものであれば、衣服はもちろんのこと、タオルやシーツなども可能です。

 

洗濯表示を確認して適切な方法で洗濯することや、必要に応じてアイロンがけをすることもあります。

 

逆に、生活援助の洗濯でできないことは、カーテンや絨毯などの大きなものやご利用者様以外の方の衣服の洗濯です。

 

洗濯を行う際は、生活援助でできるものとできないものを把握しておき、洗濯の方法にも気を付けるようにしましょう。

 

 

料理

食事の準備は訪問介護の生活援助に含まれます。

 

料理は、食材の切り込みから、調理、後片付けまで行います。

 

その際、食べやすいように、ご利用者様の好きな料理や好みの味付けにするなど工夫することも大切です。

 

しかし、生活援助では作ることができない料理もあります。

 

おせち料理や恵方巻など季節の料理は日常生活で必要な料理とは言えないため、作ることができません。

 

生活援助でできる料理は一般的な炒め物や煮物などのみですので、ご利用者様が食べやすいよう味付けを好みのものにするよう心がけましょう。

 

 

ゴミ出しだけ頼めるサービス3選

ゴミ出しだけ頼めるサービス3選

 

この章では、訪問介護以外でゴミ出しだけを依頼できるサービスを紹介します。

 

ゴミ出しだけを依頼したいご利用者様に提案できるのは

 

  • シルバー人材センター
  • 地域のボランティア団体
  • 市区町村の個別収集サービス

 

の3つです。

 

 

1.シルバー人材センター

シルバー人材センターとは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する組織です。

 

ここでは、高齢者が行う軽作業の一環として、ゴミ出しだけを依頼することができます。

 

シルバー人材センターを利用することで、比較的低コストでゴミ出しの問題を解決できる可能性があります。

 

シルバー人材センターの利用には、事前の登録や利用条件の確認が必要です。

 

また、サービス提供者が高齢者であるため、急な依頼に対応できない場合もあります。

 

曜日や時間など、希望通りにサービスが利用できるかどうかは確認が必要です。

 

 

2.地域のボランティア団体

地域のボランティア団体は、地域住民が主体となって運営されており、高齢者や障害を持つ方々への生活支援サービスを提供しています。

 

ボランティア団体の利用には、地域によって異なるルールやシステムが存在するため、事前に情報を集め、適切な手続きを踏むことが必要です。

 

また、利用条件も決まっており、年齢や家族構成、要介護認定を受けているかなど、条件に当てはまっていなければ利用できません。

 

地域のボランティア団体を利用することで地域社会とのつながりが感じられるというメリットもありますが、利用に関してはやや不便な面もあることを知っておきましょう。

 

 

3.市区町村の個別収集サービス

市区町村の個別収集サービスは、自治体が運営する公的なサービスで、ゴミ集積所までゴミを持っていくことが困難な高齢者や障害者を対象に、ゴミを個別に収集してくれる制度です。

 

このサービスを利用するには、まず市区町村のルールを確認し、必要な申請手続きを行う必要があります。

 

また、サービスの提供範囲や条件は自治体によって異なるため、詳細を事前に把握しておくことが重要です。

 

市区町村の個別収集サービスは、ゴミ出しの問題を解決するための公的な支援策ですが、利用には一定の条件があります。

 

知っておくと、ゴミ出しだけを依頼したいご利用者様に提案することができます。

 

 

まとめ

まとめ

 

訪問介護の中でゴミ出しだけをするのは難しいかもしれませんが、他のサービスと組み合わせる方法や訪問介護以外に利用できるサービスがあることがわかりましたね。

 

シルバー人材センターや地域のボランティア団体、市区町村の個別収集サービスなど、利用可能なサービスはあります。

 

ご利用者様からゴミ出しだけを依頼されたときの答え方として、この記事があなたの手助けとなれば幸いです。

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