2024/02/12 訪問介護

要支援でも訪問介護って利用できる?総合事業の訪問型サービスの全て

要支援でも訪問介護って利用できる?

 

「訪問介護が使いたいけど、要支援でも使えるの?」

 

要介護度によって使えないサービスがあったりして、わかりづらいですよね。

 

でも、知らないと本当に必要なサービスが利用できなくて、後から後悔するかも…。

 

そこでこの記事では、要支援でも利用できる訪問サービスと総合事業について、わかりやすく解説しています。

 

全部読むと、利用したい訪問サービスが見つかるはずです。

 

 

要支援でも訪問介護は利用できる?

要支援でも訪問介護は利用できる?

 

要支援1・2の認定を受けても、介護保険サービスの訪問介護を利用することはできません。

 

訪問介護は要介護1~5の認定を受けた方のみ、利用することができます。

 

要支援になると訪問サービスはないのかというと、そうではありません。

 

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の対象になるので、そちらの訪問型サービスを利用することができます。

 

総合事業については、次の章から詳しく解説します。

 

 

総合事業とは

総合事業とは

 

総合事業は介護予防・日常生活支援総合事業といい、市町村が主体のサービスです。

 

市町村が主体のため、サービスの運営基準や料金はお住まいの地域ごとに異なります。

 

総合事業は、地域に根ざした多様なサービスを提供していることが特徴で、要介護状態になるのを防ぐ介護予防や生活支援を目的としています。

 

利用できるのは要支援1・2の認定を受けた方と基本チェックリスト該当者です。

 

基本チェックリストとは、高齢者の日常生活の質と関連する動作などを確認するための重要なツールです。

 

総合事業では、必ずしも要介護認定で要支援の認定を受ける必要はなく、基本チェックリストで該当となるだけでも利用することができます。

 

基本チェックリストで聞かれる項目は25項目となっており、

 

1.日常生活関連動作
2.運動器の機能
3.低栄養状態
4.口腔機能
5.閉じこもりの状態
6.認知症の有無
7.うつ傾向

 

の7つの内容に分けられます。

 

また、市町村によっては、オリジナルの項目を追加している場合もあります。

 

次にサービス内容の特徴です。

 

総合事業のサービス内容は、

 

1.訪問型サービス
2.通所型サービス
3.その他の生活支援サービス
4.介護予防ケアマネジメント

 

の4つに分けられます。

 

例えば、訪問型サービスの中にはボランティア主体のものもあり、ゴミ出しなどの生活支援をしてもらうこともできます。

 

通所型サービスでは、介護予防のための体操など体を動かすことができたり、地域の方と関わる機会も多くあります。

 

地域全体で高齢者を支えるのが、総合事業の特徴の一つです。

 

社会福祉法人、NPO、協同組合、自治会、民間企業等地域の多様な関係者によるネットワークで情報交換や連携が行われています。

 

総合事業とは、高齢になっても自宅で安心した生活を続けていくために必要であり、介護予防に貢献するサービスなのです。

 

 

総合事業の訪問型サービス

総合事業の訪問型サービス

 

この章では、総合事業における訪問型サービスの具体的な内容を紹介します。

 

 

訪問型サービスA

訪問型サービスAは、基準緩和により新たに提供されるようになったサービスで、主に訪問介護員が日常生活に対する援助を行います。

 

要支援の方は身の回りの動作は自立している場合が多く、買い物など生活の一部のサポートが必要です。

 

ですから、調理や掃除の手伝い、買い物などがメインのサービスとなります。

 

料金は、国が示す単価を下回る価格で市町村ごと設定されていますので、経済的にも利用しやすくなっています。

 

 

訪問型サービスB

訪問型サービスBは、地域住民主体のサービスで、ボランティアとして日常生活のサポートをします。

 

調理や掃除、布団干しからゴミ出し、電球の交換まで幅広く対応してもらうことができます。

 

このサービスはボランティアが主体であるため、多くの場合、料金は発生しません。

 

ただし、ボランティアによるサービスは専門的な医療や介護を提供するものではないことに注意が必要です。

 

また、ボランティアのため、決まった時間やいつでも訪問してもらえるということもありません。

 

地域の方々と関われることがメリットになりますが、決まったサポートが必要であれば、訪問型サービスAを利用すると良いでしょう。

 

 

訪問型サービスC

訪問型サービスCは、通所型サービスのご利用者様に対して、日常生活のアセスメントを中心にした訪問サービスです。

 

このサービスは、特に体力の改善、健康管理の維持・改善、閉じこもり対策、ADL(日常生活動作)やIADL(手段的日常生活動作)の向上が必要な方が対象となります。

 

保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士などの専門職がご利用者様の自宅を訪問。

 

必要に応じて、相談にのってもらえたり、指導を受けることができます。

 

ただし、リハビリ職が普段行っているような関節可動域練習や運動療法など直接的な業務は行っていません。

 

訪問型サービスCを利用するには、ケアプランの作成と定期的なモニタリングが必須で、期間は約3~6ヶ月の短期間で行われます。

 

「短期集中予防サービス」とも呼ばれ、期間限定で集中的に行われるサービスです。

 

そのため、介護保険サービスよりも卒業・社会参加に向けて具体的な目標設定や課題の抽出が重要とされています。

 

訪問型サービスCでは、専門職による個別のサポートを通じて、高齢者の自立と社会参加を促進することが期待されます。

 

 

訪問型サービスD

訪問型サービスDは、移動支援サービスです。

 

このサービスは、ボランティア主体で行われるため、訪問型サービスBと同じく、料金はかからないことが多いです。

 

高齢になると、通院や買い物、サロンに行きたいと思っても移動手段に困ることも多くあります。

 

そのため、いつまでたっても免許が返納できないことも。

 

生活必需品を入手するためだけであれば、移動販売車や宅配等を利用することもできますが、「住民が関わる」ことで地域づくりにつなげるのが訪問型サービスDの特徴です。

 

 

訪問介護と訪問型サービスの違い

訪問介護と訪問型サービスの違い

 

この章では、訪問介護と訪問型サービスの主な違いについて解説します。

 

 

対象者の違い

訪問介護と訪問型サービスでは、対象者が異なります。

 

訪問介護は要介護認定で要介護1~5の判定を受けた方が利用できます。

 

訪問型サービスは、要介護認定で要支援1・2となった方や要介護認定を受けていなくても、基本チェックリストで該当となった方が利用できます。

 

対象者の違い

 

例えば、調理が難しい、買い物など外出のときに転倒しないか不安、など日常生活の一部だけサポートしてほしい。

 

そんな時は、要介護認定を受けなくても、基本チェックリストで訪問型サービスを利用すると良いでしょう。

 

要介護認定は申請から結果が出るまで1ヶ月程度かかるのに対し、基本チェックリストは数日で結果がわかります。

 

訪問型サービスは地域の方々との関わりもできますので、まだ介護は必要とはいえないと思っていても利用を検討してみることをオススメします。

 

 

サービス内容の違い

訪問介護と訪問型サービスでは、提供されるサービス内容が違います。

 

まず、訪問介護の内容は大きく3つあります。

 

  • 1.身体介護

 

入浴、排せつ、食事などの介助、着替えや室内の移動支援、体位変換などご利用者様の身体に直接触れて行うサービスです。

 

  • 2.生活援助

 

調理、掃除、洗濯などの家事や買い物、薬の受け取りといった身の回りの用事をするサービスです。

 

  • 3.通院等乗降介助

 

訪問介護員が運転する車で病院等への通院をサポートします。
具体的には車への乗り降りの介助、車から病院内への移動のサポート、受診手続きなどがあります。

 

次に、訪問型サービスですが、こちらは上記でも解説した通り、4つのサービスに分かれています。

 

  • 1.訪問型サービスA

 

訪問介護と同じく、訪問介護員が訪問し、調理や掃除の手伝い、買い物など主に身の回りのサポートを行います。

 

  • 2.訪問型サービスB

 

地域住民主体のボランティアで、調理や掃除、ゴミ出しや電球の交換など身の回りのサポートを行います。

 

  • 3.訪問型サービスC

 

短期集中予防サービスとも呼ばれ、3~6ヶ月で社会参加に向け、専門家による体力の改善、健康管理の維持・改善などの相談や指導を受けられます。

 

  • 4.訪問型サービスD

 

地域住民主体のボランティアで行われる、移動支援サービスです。

 

どちらも自宅を訪問し、身の回りのサポートを行うサービスという面では似たサービスになります。

 

しかし、訪問介護を利用するのは要介護1~5の方のため、ベッドからトイレまでの移動が困難であったり、寝たきりの場合もあります。
そのため、身体介護による介助が多くあることが訪問型サービスとの違いになります。

 

訪問型サービスでは、要支援までの方が利用するため、体位変換などの身体介護はありません。

 

 

目的の違い

訪問介護と訪問型サービスは、同じ訪問系のサービスですが、その目的は異なります。

 

まず、訪問介護は自立支援が目的です。

 

例えば、トイレまでの歩行に不安があるが、トイレ自体は自分でできる場合、移動のサポートをします。

 

反対に、トイレに行けるのに歩行にふらつきがあるからと、おむつにしてしまうとトイレに行けなくなってしまいます。

 

自立支援のため、ご利用者様自身でできることはしてもらいつつ、できない部分をサポートするのが訪問介護です。

 

次に訪問型サービスですが、こちらは介護予防を目的としています。

 

これには、社会的な孤立を防ぎ、健康状態の維持や改善、趣味活動への参加支援などが含まれます。

 

地域の方々と関わることで、ご利用者様の社会的なつながりを強化し、生活の質を向上させます。

 

生活全般のサポートや社会的なつながりにより、介護が必要になるのをできる限り遅らせるのが訪問型サービスです。

 

 

まとめ

まとめ

 

この記事を読んでいただき、ありがとうございます。

 

要支援でも使える訪問型サービスの詳細や訪問介護との違いを理解し、あなたや大切なご家族様に最適なサポートを選ぶ手助けとなれば幸いです。

 

訪問型サービスは、生活を豊かにし、自宅での生活を支えるために大切な役割を果たします。

 

適切なサービスを選ぶことで、安心と快適な毎日を送ることができますね。

 

これからも、あなたの生活がより良いものになるよう願っています。

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