2024/04/11 訪問介護

訪問介護の時給は高い?高額なケースとその理由【自力で上げるコツ】

時給アップを目指す訪問介護員の方へ。

キャリアが頭打ちに感じていませんか?

高齢化が待ったなしで進み、増え続けるニーズに対して、介護報酬の財源確保がいよいよ難しくなったと言われています。

物価も高騰し続けて、訪問介護員の給与に不安を感じますよね。

しかし、何もしないと給料は上がらず、いつの間にか生活が苦しくなるかも…。

そこでこの記事では、訪問介護員の時給を上げるコツや、高収入を狙える介護サービスを紹介します。

これを読むと、報酬とキャリアの両方をアップする道が開けるでしょう。

訪問介護員の時給相場

訪問介護員の時給相場

訪問介護業界は、時給相場は条件による変動が大きいです。

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、

2022年度の常勤の訪問介護員の時給は平均約1,500円、非常勤は約1,600円でした。

しかし、これはあくまで平均値です。

訪問介護の時給は、サービスの提供状況や地域、業務内容によって大きく異なります。

特に、一部の求人では時給3,000円を超えるケースも珍しくありません。

理由としては、人手不足による需要の高まりや、特定の資格やスキルを有するスタッフへの需要の高まりがあります。

一方で、このような時給の高い求人はまだまだ少数派です。

多くの訪問介護員は平均時給に近い給与で働いていますが、高い時給で働くためには、特定の条件を満たす必要があります。

例えば、夜間や身体介護などのサービスに特化する、あるいは長く安定している大規模な企業で働くことが、高い時給への近道と言えるでしょう。

ただ、訪問介護員として働く際には、時給の高さだけでなく、自身のライフスタイルやキャリアプランに合った職場選びが大切です。

自分にとって働きやすい環境を見つけることが、長く働くコツですし、それが生活の充実にもつながります。

訪問介護の時給が高くなるケース

訪問介護の時給が高くなるケース

現在、訪問介護を含む介護業界全体が、人財不足に直面しています。

厚生労働省によると、令和2年度の訪問介護の有効求人倍率は14.92倍です。

これは一人の求職者に対して約15ヶ所の事業所が人財を求めているということです。

この人財不足が、業界全体の時給を押し上げる大きな理由です。

またこの他にも、訪問介護員は、条件面で時給が高くなるケースがあります。

これらの理由を詳しく一つひとつ見ていきましょう。

1.業界に人財が不足している

前述の通り、深刻な人財不足が、訪問介護員の時給が高くなる最大の理由です。

地域によっては特に訪問介護員が不足しており、必要なサービスを提供するために、企業は他社よりも高い時給で募集する必要があります。

この人財不足による時給の高騰は、自由に価格転嫁ができない介護業界全体に、厳しい影響を及ぼしています。

ですが、サービスの質を維持するためにも、給与面での優遇が必要となるため、訪問介護を運営する企業は訪問介護員に高い時給が設定することが多いです。

訪問介護員の業務は、一人ひとりのご利用者様に対応するため、それに必要な人員を確保がとても大切だからです。

2.長距離の移動がある

訪問介護員の仕事では、ご利用者様の自宅への移動が必要です。

特に、長距離移動が必要な場合、その労力と時間が時給アップにつながります。

遠方への訪問は、移動にかかる時間や交通費の面で、大きな負担となるため、これを補う形で時給が高めになる傾向があります。

3.他の資格を有している

資格を持つ訪問介護員は、時給が高く設定されることが多いです。

例えば、看護師や理学療法士など、他の専門職との兼務を行う場合、そのスキルと経験が高く評価されます。

これらの資格を活かして、訪問介護以外の業務も行うことで、更に高い時給が期待できます。

4.障がい福祉領域で働く

障がい者支援は、訪問介護の中でも特に専門性が求められる分野です。

この分野での仕事は、通常の訪問介護に比べて高い技術や知識が必要とされるため、時給が高い傾向があります。

障がい者支援の経験や専門知識を有する介護員は、高い時給で働ける可能性が高いでしょう。

時給の訪問介護職が向いてる人の特徴3選

時給の訪問介護職が向いてる人の特徴3選

訪問介護の職場は、特定の個性やライフステージを持つ人にとても合っています。

ここでは、特に訪問介護で働くことが向いていると言える人の特徴を3つ挙げてみます。

1.外出が好きな人

訪問介護は、施設勤務と異なり、ご利用者様の自宅や地域社会で働くことになります。

このため、屋外での活動を好む人には最適です。

自然や季節の変化を感じながら仕事をすることは、施設介護では味わえない醍醐味と言えます。

また、ご利用者様の日常生活に寄り添い、地域社会の一員として活動することは、大きなやりがいにつながるでしょう。

2.子育てを終えた人

訪問介護の業務は、家事支援や日常生活の援助が大きな割合を占めます。

そのため、子育てを終えた人や、家事経験が豊富な人には特に向いています。

これまでの経験を活かし、ご利用者様の快適な生活をサポートすることができます。

また、勤務時間を柔軟に選べるため、プライベートと仕事のバランスを取りやすいのも良いところです。

3.自己管理が得意な人

訪問介護は自主性と高い自己管理能力を求められる職種です。

この業務は、同僚と一緒に働くことが少なく、一人で多くの場面を判断し対応する必要があります。

そのため、自己管理が得意な人に向いています。

効果的に時間を管理し、訪問スケジュールを適切に調整できる能力は、訪問介護員として成功するために不可欠です。

さらに、ストレス管理能力もこの職場で求められる大切なスキルの一つです。

一人ひとりのニーズに応じて柔軟に対応できる人は、訪問介護の仕事で大きなやりがいを感じることができるでしょう。

自己管理能力が高いことは、訪問介護員としての効率と満足度を向上するカギとなります。

訪問介護の時給は今後どうなる?

訪問介護の時給は今後どうなる?

訪問介護員の時給については、今後の見通しも明るそうです。

2013年から2021年までの厚生労働省の調査結果によれば、訪問介護員の平均年収は年々上昇傾向です。ただし、法改正の翌年では伸び悩む傾向があるようです。

介護職員の平均年収
引用:厚生労働省
これに加え、2024年2月より、厚生労働省が介護職員の賃上げ政策を実施するとの発表がありました。

この政策により、訪問介護を含むさまざまな介護職員が、賃上げの恩恵を受けることになりました。

この賃上げは、常勤だけでなくパートの職員にも適用されるため、幅広い介護職員がその恩恵を受けられたと思います。

ただし、パートで働く場合、時給の上がり方は労働時間数に応じて異なっている可能性があります。

このような政策の流れは、介護業界にとって、とても嬉しいいニュースです。

介護職員の給料がアップすることで、多くの介護職に向いている人がこの仕事に魅力を感じ、業界全体のサービス品質の向上にもつながることが期待されます。

また、介護業務に対して適切な給料が支払われれば、今働いている介護職員の仕事へのモチベーション向上にもつながります。

結果として、ご利用者様へのより良いサービス提供へとつながるでしょう。

介護業界の賃金上昇は、働く側にとっても、利用する側にとっても、とても大切な一歩と言えます。

この政策は、介護業界に関心を持つ人にとって、大きな希望となるに違いありません!

訪問介護員が時給を上げるコツ

訪問介護員が時給を上げるコツ

訪問介護員として時給を上げるには、実はいくつかの有効な方法があります。

ここでは、具体的な方法を詳しく見ていきましょう。

「身体介護」を選ぶ

身体介護は生活援助と比べて時給が高い傾向です。

これは、身体介護の業務が、より専門的なスキルや知識、責任感が求められるためです。

事業所によって異なりますが、多くの場合、身体介護の時給は生活援助よりも300円ほど高いようです。

念のため確認しましたが、介護保険による訪問介護の報酬も、身体介護の方が生活援助より高く設定されています。

身体介護は、食事や入浴、排せつの介助など、直接的な身体的支援を行います。

介護技術を身につけ、身体介護に特化することで、高い時給が期待できます。

「夜間や早朝」を選ぶ

夜間や早朝の訪問介護業務は、日中の業務時間に比べて時給の25~50%が加算されることが一般的です。

加算の方法は事業所によって異なりますが、時給自体が上がる場合や、別途手当として加算されることが多いです。

この時間帯のご利用者様のニーズに応えることができれば、より高い時給が狙えます。

「良い企業」を選ぶ

良い企業で働くことも、時給を上げる上で重要な要素です。

老舗(しにせ)の企業や規模が大きな企業では、経済的基盤が安定しています。

そのため、従業員に対して高い時給を提供できる可能性が高いです。

また、従業員の働きやすさや福利厚生にも配慮できていることが多く、職場環境の良さにも期待できます。

いかがでしたか?自分に合った給料アップの方法がありましたでしょうか。

これらの方法で、訪問介護員としての給料を高めることができます。

ただし、高い給料を求めるだけでなく、自身の健康とワークライフバランスにも注意しましょう。

このことは、長く働くためにも大切ですので、お含みおきください。

良い企業の2つのポイント

良い企業の2つのポイント

それでは、良い企業について、もう少し詳しく探っていきます。

訪問介護員として働く際、時給だけでなく企業の選択も大切です。

特に、「良い企業」を選ぶことは、長期的なキャリア形成や職場の満足度に大きく影響します。

良い企業を見極めるための主なポイントを2つご紹介します。

1.長く続いている

長く運営されている老舗の企業は、その安定性や信頼性が高い傾向にあります。

長年にわたって事業を継続してきた企業は、市場の変動や経済的な苦境を乗り越えてきたという証拠です。

これらの企業は、従業員への支払い能力が安定していることが多く、また、豊かな経験とノウハウを持っています。

介護業務においても、より良い研修制度やサポート体制を期待して良いでしょう。

2.規模が大きい

大企業は、資金力や資源が豊富であり、従業員に対してより良い給与や福利厚生を提供できる可能性が高いです。

また大規模な組織は、キャリアアップの機会も沢山用意してくれることが多く、個々の成長と発展をサポートする体制を備えています。

さらに大企業では、様々なサービスや独自性がある領域を持っていることも多く、介護職員としてさまざまな経験を積むことができます。

ここで念のため、大企業についても触れておきます。
実は日本の法律で定められているのは中小企業のみで、大企業の定義はありません。

そこで、中小企業基本法で定められている中小企業の条件より規模が大きければ大企業であるといえます。

サービス業における大企業の基準は、資本金が5,000万円以上、従業員数が100人以上です。

良い企業を選ぶことは、単に時給が良い職場を見つける以上の意味があります。

上記の通りですが、安定性、成長の機会、福利厚生、そして介護サービスの質など、多方面での満足を得ることができるのです。

時給が高い傾向にある介護サービス

時給が高い傾向にある介護サービス

介護業界において、特化型のサービスは時給が高い傾向があります。

中でも、訪問入浴介護はその代表例です。

訪問入浴介護は、入浴の介助に特化し、専門性が高く、特別な技術や知識が必要とされるため、時給が高いことが一般的です。

訪問入浴介護とは、特にご自身の移動が困難で、ご自宅の浴槽で入浴ができないご利用者様宅を訪問します。

訪問先に、持ち運び式の浴槽を持ち込んで、3人で入浴介助を提供するサービスです。

訪問入浴介護は、専用の設備と専門技術を必要とするため、介護職員には高度な知識や技能が求められます。

ご利用者様の安全と快適さを確保するための高い専門性が必要なため、介護職員は専門的な研修を受けることが多いです。

このように、訪問入浴介護は、高い専門性と責任を要するため、従事する介護職員は一般的に高い時給が期待できます。

また、訪問入浴介護はご利用者様にとって重要な役割を果たします。

身体的な健康だけでなく心理的な和らぎも提供できるため、大きなやりがいを感じることができます。

介護職員にとって、訪問入浴介護への一歩を検討することも、キャリアアップの絶好の機会となります。

今回の記事を担当している私も、一般企業から訪問入浴介護への転職組ですが、訪問入浴介護の給料の高さに驚いたひとりです。

手前味噌で恐縮ですが、アサヒサンクリーンは、訪問入浴介護サービスを主事業としながら、2024年で創立50周年の長く続いている企業です。

ご興味のある方は、是非求人内容だけでも覗いてみて下さい。きっと驚きますよ。

まとめ

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

訪問介護員の時給相場は地域やサービスによって異なり、特に専門性の高い訪問介護では時給が3,000円を超えることも珍しくありません。

介護職への需要が高まる中で、更に特定の条件が重なると時給が高くなる傾向が見られます。

人手不足、長距離移動が必要な現場、特定の資格を要する他業務との兼務、障がい者支援などの要因があります。

時給を上げるための具体的な方法としては、「身体介護を選ぶ」「夜間勤務を選ぶ」「良い企業を選ぶ」などが挙げられます。

良い企業とは、長く続いている、規模が大きいなどの特徴を持つ企業です。

これらの企業は安定した経営基盤と充実した福利厚生を提供し、高い給与を支払える可能性が高いです。

更に訪問入浴介護への一歩を踏み出せば、特別な設備と専門知識を要するため、他のサービスより時給が高くなることが期待できます。

専門的な研修を受けて、高い技術を身につけることで、高い給料を受け取ることができます。

これは介護職員にとって、大きなキャリアアップの機会となるでしょう。

介護業界においては、スキルや条件に応じて時給が大きく変わるため、自身のキャリアパスに応じた適切な選択が大切です。

この記事が、キャリアアップのヒントとなれば幸いです。

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